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大友由紀のまごころトーク⑩『ご遺体衛生保全の話(エンバーミング)』|まごころのお葬式は大友葬儀社

生前に近いお姿で、ありし日の姿を…

 

 

こんにちは、㈲大友葬儀社 専務の大友由紀です。

 

私たち葬儀社が一番気を使うところは、ご遺体の保全です。

どんなにドライアイスでご遺体を冷やしても病状によって、腐敗が早まる場合が多々あります。おくりびとの“納棺士”という専門の方々によって、昔に比べるとご遺体の保全ができるようになってきています。

近年は、腐敗の進行を止める薬品も進化しています。ですが、やはり腐敗が早く進むご遺体もございます。

私たちは、できるだけご生前時と同じ状態で最期のお別れをしていただきたいと節に願っています。

お別れの際に、生前のお顔と変わりますとご遺族は辛い想いをしてしまいます。

 

『エンバーミング』をご存知でしょうか?

日本では「火葬」が執り行われるためにあまり馴染みがない言葉かもしれませんが、土葬が主流の国々では遺体保存技術になります。

生前の姿に近い形でお別れができるという点や衛生的な面から、近年日本でも注目されるようになりました。

 

エンバーミングとは、「遺体衛生保全」や「死体防腐処理」の総称で、遺体を衛生的に保全できる施術のことを言います。

土葬が主流のアメリカやカナダでは、エンバーミングは一般的な施術です。

しかし、火葬が主流のここ日本においても、生前に近いお姿で心行くまでお別れができるといった理由で、エンバーミングが見直されるようになってきています。

 

具体的には、ご遺体を殺菌消毒してすべての血液を抜き、ホルマリンなどの防腐溶液を入れて、長期間保存できる技術で、専門的な資格を持つエンバーマーが消毒・防腐・修復・化粧といった専門的な処置を施します。

イメージとしては、人工透析を思い浮かべてみてください。血液や体液を取り替えるという事です。

施術にかかる時間は、2時間から3時間程度かかるそうです。仙台の専門施設に運んで、手術台の上で、専門のエンバーマーが施術をします。

 

エンバーミングをすると、ご遺体を一定の期間、衛生的に保全できるようになります。

通常、時間の経過とともに腐敗が進行するのですが、エンバーミングをすることで、数日から数週間程度、ドライアイスを使用したり、冷蔵庫に入れることなく、ご遺体の保存ができます。

 

エンバーミングをすることで例えば、お元気だった方が急逝してしまわれたときに、海外生活をしているご家族が日本に戻るまで時間がかかるとき、最後のお顔を見ていただく事ができるようになったのです。

時間的な猶予ができるために、故人の意志や遺族の想いを反映したお葬式の準備が行なえます。

東京のあるお寺の老住職様がお亡くなりになったとき、間もなくお盆という時期で、檀家さんの家々に棚経に歩かなければならない大忙しのときに、住職様をエンバーミングして、お盆が終わってから、お火葬になさったそうです。

「こんな大変な時期でも私たち檀家のほうを優先してくださった」と檀家さんたちから、喜ばれたというお話をお聞きしました。

また、事故や災害や皮膚がんなどの激しい損傷や、病気でやつれてしまって生前の面影がなくなってしまわれた方でも、生前のお写真1枚あればエンバーマーが健康だった頃の姿に近づけることも可能です。

私も昨年、親しくしていた方が癌で長い闘病後ガリガリにやつれてしまい、「私のお葬式では笑顔を想い出していてほしいから、お棺のフタは絶対あけないでね。」と頼まれていた女性がいたことを思い出しました。

あの時にもし、エンバーミングができたならご遺族が頼んでいたでしょうと思いました。生前に近い状態に戻すことができたなら、ご遺族のお悲しみをやわらげることができるのです。

 

仙台市にできたエンバーミングセンターでの施術の第1号は、交通事故にあわれたフィリピン人の男性だったそうです。

海外にご遺体を空輸する場合にも国によっては、エンバーミングが義務付けられます。

事故で損傷した部分もきれいに修復して、家族に迎えに頂き、飛行機で帰られたそうです。

かかる費用は、ご遺体の状態や施す処置によって変わりますが、15万円から25万くらいだそうです。

この料金には、自宅から仙台市のエンバーミングセンターまでの搬送料金や施術・怪我や損傷の修復、さらには着付けやお化粧、納棺料金までが含まれています。

このお話を何人かのお客様にしましたところ、「遠くにいる子供たちが顔を見られるのならそのくらいの料金は私出すわ。」というお声が多くありました。

 

近年、安全や衛生面、故人様と過ごせる時間などの視点から、少しずつエンバーミングを行われる方が増えてきています。

しかし、費用の面や故人様の体を一部でも切開することなどの理由からエンバーミングを避けられる方もいらっしゃるのが事実です。

まだまだ日本では亡くなってからお火葬までの時間が短いのが一般的でありますが、お別れの選択肢のひとつとして考えて頂ければと思います。

 

 

大友由紀

 


【大友由紀のまごころトーク】

 

これまでのまごころトーク一覧は下記よりご覧いただけます。

▶㈲大友葬儀社HPより:大友由紀のまごころトーク

 


【まごころトーク出張セミナー】

 

大友由紀のまごころのトークでは、出張セミナーも行っております。

終活についてやこれからの人生の歩み方などご希望に合わせた内容でお話いたします。

㈲大友葬儀社HPより:出張セミナーの様子

 

【出張セミナーのご依頼はこちら】

㈲大友葬儀社 大光殿 ☎0223-22-2347

お問合せ 専務 大友由紀まで

 

 

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