大友由紀のまごころトーク⑥『私達も参列させて下さい』｜まごころのお葬式は大友葬儀社
私達も参列させて下さい
こんにちは、㈲大友葬儀社 専務の大友由紀です。
最近、家族葬を選ばれる方が多くなって、弔問客をお断りするケースが増えています。
お店にお線香を求めに来店してくれた友人から聞いた話です。
先日、友人実家近くの幼馴染（56歳）が長い闘病の後、癌で亡くなり、間もなく四十九日を迎えるそうです。
おしゃれな人気のカフェの店長さんで、常連客も長く闘病を繰り返していることも知っていて、入院するたびに「いつ帰ってくるのかしら」と親戚のように心配していたそうですが、願いも叶わず店長は若くして亡くなってしまいました。
故人様のご主人は、コロナ感染のリスクを避けるために、家族だけでお葬式をすることに決ました。
なぜ家族葬にしたのか。それは『皆さんにご迷惑をかけたくなかった』から。コロナ感染症のリスクを考えて、親戚にさえもお知らせをしなかったそうです。
しばらくして、ひょんなところから「店長が亡くなったらしい」と常連客に広まってしまいました。
常連の皆さんは「是非ともご自宅に弔問させて欲しい」とご主人に頼んだのですが、固辞されてしまったそうです。
生前、故人様とお付き合いをしていた方々は、最期にお別れしたいと思っている事を皆様ご存知でしょうか。
お別れをしたいのに断られて、常連の一部の方は内心面白くなかったようで、「もうカフェには行かない」と怒っていた方もいたそうです。常連の皆様は、「ちゃんと店長とお別れがしたかったので、気持ちがおさまらない」と思っていたそうです。私の友人も同様でした。
そこで、ある方が発起人となりご主人に頼んで、『お別れ会』をカフェですることに決まりました。
お店に告知のポスターを張って、当日は遺影とお花を飾って偲ぶ会をしたところ、なんと40人以上もの方々が店長とのお別れに来てくれたそうです。私の友人も実家から聞いて、他の友人と誘い合わせてそこに参列してきたそうです。
参列した方々は「やっと、きちんとお別れができてよかった」「曖昧な喪失感や気持ちのモヤモヤが無くなった」と口々に言われたご主人は、こんなにも妻の病状を我がことのように心配してくださり、死を悼んでくれる人が大勢いたことに大変驚いたそうです。
同時に、「こんなにも妻を思ってくれてありがたい」と心から思ったそうです。そして、「きちんと皆様にお知らせして、お葬式をすれば良かった」とその時初めて、後悔したそうです。
私も以前、親戚の葬儀に「参列したい」とお願いしたのですが、家族で静かに送りたいと参列を断られた経験があります。
故人と最後のお別れがしたいという友人の気持ちが、痛いほどよく分かりました。
『ご迷惑をかけたくない』と家族葬を希望される方は増えていますが、生前お世話になったりなられたり、関わった方たちも実は最後の時を「遺族と一緒にお別れをしたい」「お悔やみを申し上げて遺族をお慰めしたい」と思っているのです。
ですが、この気持ちが喪主に届かないことが、実際にはとても多いのが現状です。
お葬式は家族が知らない故人の思い出話を聞かせて頂ける最後の機会でもあります。
こちらはご迷惑をかけたくないと思っていても、あちらは決してそう思ってはいないという事をこのお話から伺うことが出来ました。
「大友さん、あなただったらきちんと遺族と周りの声を聞いて、遺族が後悔しないようにお葬式を導いてくれるのにね。」と帰り際に言われました。
そういえば、あなたにお任せしたら…と言われて思い出したことがあります。
8年前、『家族葬にしたい』喪主様と、どうしても参列して『弔辞を差し上げたい』という友人や職場の方たちの間に入って色々とご調整させて頂いた事がありました。
そして、苦労の甲斐があり、どちら様のお気持ちもくんで、皆様にご参列いただいて和やかにお葬式を無事に行うことが出来ました。お葬式が終わった後、「このように導いてくださって、本当に心から感謝します。」と双方から言われたことがありました。
家族葬をしたばかりに、その時は参列を遠慮なさった方々が、断っても後日三々五々弔問にお出でになるので、疲れてしまったとよくお聞きします。
故人を想う気持ちはどなた様も同じです。
後悔しないお葬式を…私は切に願います。
大友由紀
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